昼過ぎまで寝てしまい、どないしょうかと思ったけど遠足する事に決めた。
長野まで電車で移動してバスの時刻を調べるとちょうど5分後、
あわててキップを買って戸隠キャンプ場行のバスに乗り込む。
座席に落ち着いてポケットを探るとキップが無い...必死で探したが見つからず、
往復2千円も丸損かと嘆息しながら足下を見たら床に落ちたのを靴で踏んでいた。
旧式のバスは「七曲がり」にかかる。頭上をフェンスで囲われたジグザグ道を
無理矢理にカーブしながらグリグリ上昇していくバス。
中社を通過して自然公園で下車。雨が降っており、持参したビニール傘を拡げて
林の中を歩いてみた。スッコ抜けて空に伸びる杉の木、熊笹の群生。
地図を見て中社までの道を調べると、車道以外はみんな結構距離がある。
ここまで来て排ガスを浴びるのも嫌だからどんどん奥に踏み入ることに決め、
雨でぬかるんだ遊歩道の縁をたどるようにして前進する。傘は閉じてしまった。
川の水はさのみ奇麗ではない。全部で5人のハイカーと擦れ違った。
必死で歩いた末に「どんぐりの家」という施設にたどり着き、
数時間ぶりの飲食物を美味しく頂く。目の前には大きな池、雨と霧にかすむ奥山。
再び地図を見ると、現在いる所はまだせいぜい折り返し点であった。
またしても山道に分け入ったが、今度の道はよく整備されていて歩きやすい。
数種類のキノコ、下枝を刈られた杉の林の浅い緑色と霞の白。雨がまた強くなった。
ようやく中社に到着。ガイドブックに出ていたソバ屋には閉店でフラれ、
そこいらの開いてるソバ屋へ適当に飛び込んで山菜ザルソバを頼んだ。
フキの煮付け、ウドのような香りのする青葉など。ソバもなかなか美味い。
表へ出て参拝を済ませ(肩幅の狭いコマイヌ)、石段を降りた途端にバスが来た。
ソバ屋へ置き忘れたビニール傘は諦めてバスに飛び乗る。