<<本日はやや疲労気味なり。
三ノ宮のビアホールでサカイや七人の小人たちと飲んでから、だらだらと西へ歩く。
新開地のヒットパレットでコーヒーを飲みながら「安城家の兄弟」の続きを読む。
閉店間際に店を出て、いつものように兵庫駅に向かう。
通りすがりに「いつでも別れてあげるよ」と聞こえた、若いカップル。
登りの電車のパンタグラフから、ばしっばしっと大きな音を立てて飛ぶ水色の火花。
高架の北側に沿った道に出たら、もう俺以外誰も歩いていない。
まだ灯りのともった製本所の中から、製本機やケットバシの音。
みんなに見捨てられたような、安らかな気持ち。
この道を初めて歩いたのは、大学1年の夏である(それとも大学2年の冬だっけか)。
ちょっとタルホがかったマンガ同人誌に混ぜてもらって、
それに載せる対談(「怪団体の怠惰な対談階段篇」とかいった)を
メンバーの人達と一緒に歩きながら録音した。天気の良い日だった。
あの時以来、俺は昼間にこの道を歩いたことがない。
高架の向こうに兵庫駅のホームの灯りが見える。
線路沿いにどんどん歩けば、やがて駅にぶつかるのはあたりまえ。
でもどういうわけか、兵庫駅には「偶然たどり着いた」ような気がする。いつもだ。
歩き足りない。
そのまま兵庫駅の前を通りすぎる。菅原市場の手前で高架をくぐって南側へ。
大阪行きの新快速。の中で大げさな身振りをつけて話していた男。
あっという間にすれ違ってしまったけど、いつまでもお元気で。
高架際の暗い道を向こうから歩いてきた男と、不安と怒りの交換。少し。
テントと仮設の乱立する中を突っ切る。家々の灯り。飯の匂い。
新長田の飲み屋の前で仰向けに倒れているポロシャツの男。
「...ちょっと、自分、自分、大丈夫か?」
「...ああ?」
「...おやすみー。」
またしても鷹取まで歩いた。
本日聞いたCD:
Pierre Boulez Con. "Maurice Ravel:Songs"
Woody Guthrie "Sings Folk Songs"
Momus "The Poison Boyfriend"
...「顔画像」も描き上げて、いざアップしようとしたら連続話し中。
「ハナクソほどのコンテンツも提供してねえくせに回線ふさぎやがってクソ」
とか思うけど、プロバイダにしてみりゃ俺みたいなやたらにうるさい奴より
そーゆー奴らの方がずっと上客だよなあ。とか、さっきもサカイと話していた。